| 全廃決定農薬 使用奨励
オゾン破壊物質含有農薬の在庫減らし |
オゾン破壊物質として来年1月に日本を含む先進国で全廃される「臭化メチル」を使った農薬を広島市農業共同組合が組合員に割引販売して使用を奨励していることが18日に分かった。「使用できる最後の今年、特別価格にて販売いたします」という文章を回覧させる念の入れよう。JA広島市は「法的に問題はない」と主張するが、農林水産省は事態を重視。全国農業協同組合連合会を通じ、全国の農協に対し実態調査に乗り出す。
臭化メチルは土壌消毒剤の一種で、土壌病害虫駆除などに使われる。しかしモントリオール議定書の締約国会議でオゾン層破壊物質に指定され、先進国は例外的使用を除き2005年1月1日に全廃することを決めている。JA広島市は今年4月中旬、「在庫はあるのに来年から使えなくなる」などとして、この農薬の特別販売を決定。管内10ヶ所の駐在に伝えた。約200軒の回覧した文書は臭化メチルの全廃を説明したうえで、「土壌害虫・雑草種子に有効で、土壌伝染病のウイルス病にも効果があります」などと効果をアピールしていた。
JA広島市の桜井秀男営農振興課長は「環境保全によくない物質とは分かっているが、法的に全く問題は無い。堂々とやっていいことだと思っている」と主張。しかし、農水省は「全廃に向けて代替剤の使用を指導してきたのに、農家や消費者に混乱を与えるもので問題」とし、環境省も「環境保全の観点から好ましくない。絶対必要なもの意外、安く売りさばくことはやめてほしい」と話している。 |
| 2004年5月19日(水) 毎日新聞 朝刊 14面 より抜粋 |